おかんの読書感想記その26:「東京難民」福澤徹三著

テレビで、怖い本として紹介されていて興味があって読んでみました。

「東京難民」 福澤徹三著

いや~~~~~。
怖かった。

552ページのハードカバー、重かった。


内容は…。

実家は九州で建築関係の自営業、そこそこ裕福で、東京の三流大学に通う「修くん」が主人公。

サボりたいなぁ…と思いながら行った大学で、いきなり
「学費未納の為除籍になりました。」と言われる。
催促されていたのに、親が払っていなかった様子。
実家に電話しても誰も出ない。
仕送りもなくなった。
アパートも家賃未納の為追い出された。

そんな状況から始まって、どんどんどんどん落ちていく修。

好意的だったり、同情してくれてた友達や彼女にも、不義理を繰り返して愛想をつかされてしまう。

ネットカフェで寝泊まり~治験~ホストクラブ~ザ・貧困ビジネスの日雇い~ホームレス?
と、きっかけは親の夜逃げとはいえ、その後の転落ぶりは自業自得とも言えるけど…。


こういうの田舎だとどうなるのかはわからないのですが、
いわゆるDQNになるんでしょうかねぇ…。
というか、田舎だと、チンピラの使いっ走り一直線なのかなぁ…。

東京という都会だから主人公はフラフラとしていられるのかもしれません。
そうして、「闇金ウシジマくん」で読んだことがあるような人々になっていく。

これを読んで「あぁ、世の中にはこういうバカもいるのよね。私はこんな世界の人間じゃなくて良かった。」なんて、簡単に思えませんでした。

私、この主人公の修が自分の息子に重なってしょうがなかった。

基本、優しい人の良い子なんだけど…
根拠なくなんとかなるさと思って、行き当たりばったりで、
ダメな方、ダメな方に行ってしまう。
なのに、そんなことをしたら人としてどうか?とか言って、
ええかっこして、またダメな方に行く。
人としてどうか?とか何とか言う前に、まず自力で生活しなよ。


この修に対して、ある人物がいう言葉がぐさっときてね。

424ページ
篤志の言葉です。

「甘ったれのくせに、強がりをいう。てめえのケツも拭けねえくせに、他人のことへ首を突っ込む。世間知らずのくせに、世の中を舐めてやがる。おまえみたいな性根の腐った奴を見ると、虫酸が走るんだよッ」

こんな子、いくらでもいるし、自分もそうだったかもしれない。
でも、ホントちょっとしたことで、ダメになってしまう。
そういう確率が今すごく高いのではないか?

桐野夏生さんの「メタボラ」も良く似たお話で、読んだ時はすごく怖かったんだけど…。

今、息子が中学生になり、まさにこのままいくと修のような大学生に…、いや、大学生にすらなれないかも?という状況の中、まさに他人事ではないのです。

本人に読ませたいけど、552ページ。
読まないだろうなぁ。

読み聞かせか?

そうそう、中村蒼くん主演で映画になったそうです。
公開は秋かな?
私のイメージする修より、随分かわいいわ。
Commented by ケリーちゃん at 2013-08-08 23:35 x
久しぶりじゃん、おかんの読書感想。
もっとマメに読書感想文上げてちょうだいよ。
メタボラも読んでいて爽やかな読後感のある小説じゃなかったもんねぇ。
なんか昭和の不幸とは明らかに違う形の不幸が最近は描かれてる本が多くてチョットお腹いっぱいだよねぇ。
私は最近本の中ぐらいはのほほんとしたいなぁと思ってしまいます。
Commented by さとちん at 2013-08-09 07:39 x
怖~~~!
うちの長男もまさしくそのタイプ(--;
世間知らずのくせに世間舐めてる。
バイトを落とされるなんて知らなかったよ。
今はインターシップすら落とされる時代。
就職は100社落とされるのが普通とか。
あまったれの長男にそれをクリアできるのか(--;
バイトの書類選考で落とされただけで落ち込んでいるバカが。
なにも過度な期待をしているわけじゃない。
自分で税金払えるおとなに
自分の保険証持てるようにしたいだけなのに
こんなハードル高いとは思わなかったわ。
Commented by jumbo0317 at 2013-08-09 10:22
★ケリーちゃん
ハハハ!
ちょこちょこ読んでいるんだけど、これは書いておかねば!って本に、なかなか当たらなくてねぇ…。
おもろなかったら、おもろなかったで一言記録しておかなくちゃ。

昔の小説は貧乏を描いていてもその後にわずかでも光がみえたような気がするんだけど、最近の貧困をテーマにした作品は怖ろしいのよね。
戦争とか、飢饉とかそういうのが理由じゃないじゃない?

確かに、本の中くらいはのほほんとしたいよね。
次はもっと楽しそうな本を選ぼうかな~。
Commented by jumbo0317 at 2013-08-09 10:30
★さとちんさん
ほんま怖いんです!
さとちんさんのご長男くんみたいにちゃんと大学にいってる学生さんですら、そんなに難しいってことは、ウチの息子なんて本当にどうやって生きていけばよいのか?

今日は部活が昼からなので、宿題を片付けるチャンスなのに、夏休みのしおりの捜索を今やっておりますわ。
もう、情けないことばっかりで、3日と空けずに泣いてます。
お友達は優秀なお子さんとお母さんばっかりなんですよ…。自分の今までの子育ては全て間違っていたんだなぁ…って。ウチの子だってもっと良い方向に行けたはずなのに、私に育てられたばっかりにこんな風になっちゃったのかなぁ…申し訳ないなぁと思うんです。
だから、自力で生きていけない大人になるかも???って本当に怖いんです。
by jumbo0317 | 2013-08-08 20:15 | 本・読書 | Comments(4)

じゃんぼなおかんです。食い意地こそが私の原動力。食べ物のお話、旅のお話、日々のあれこれを綴ります。御連絡はこちらにお願いいたします。   jumbo0317@yahoo.co.jp


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